東京都町田市の歯医者さん、タカムラ歯科医院です。
今回のテーマは「歯周病になりやすい人」です。
同じ予防方法を実践していても、歯周病のなりやすさには個人差があります。
これは不公平に思えるかもしれませんが、予防を徹底していても歯周病になる人もいれば、
一方でそこまでの予防をしていないのに歯周病にならない人もいて、ではその差はどこにあるのでしょうか。
その答えは簡単で、「あること」が理由で歯周病になりやすい人となりにくい人がいるのです。
疲れている人は歯周病になりやすい
歯周病は細菌に感染することで発症する病気であり、
つまり身体の免疫力次第で発症のリスクは高くも低くもなります。
当然、身体の免疫力が低下している人は歯周病になりやすく、そこで免疫力低下の原因を考えてみましょう。
そこで挙げられるのは疲労やストレスであり、
これらが蓄積している人は身体の免疫力が低下して歯周病になりやすいのです。
簡単に言えば、免疫力が低くてすぐに風邪を引いてしまう人は歯周病にもなりやすいということです。
噛み合わせが悪い人は歯周病になりやすい
噛み合わせが悪いと、噛み合わせた時に特定の歯に負担がかかりますが、
その場合は歯だけでなく歯の下に位置する歯肉にも負担がかかります。
そして、歯肉にかかる負担によって歯肉に炎症が起こると歯周病になってしまいます。
また、噛み合わせが悪いと口呼吸になってしまい、
そうなると口の中の唾液が蒸発して酸欠状態となり、嫌気性菌の働きが活発になってしまうのです。
この嫌気性菌は歯周病の原因菌ですから、働きが活発になれば歯周病にもなりやすいでしょう。
歯並びが悪い人は歯周病になりやすい
歯並びの悪い人は歯周病になりやすく、その理由は2つ挙げられます。
1つ目の理由はブラッシングの精度に影響することで、
歯並びが悪ければ歯磨きがしづらくなり、そうなると磨き残しが増えてしまうのです。
歯周病の原因菌はプラークに含まれていますから、
磨き残しが増えればそれだけ歯周病にもなりやすく、同様に虫歯にもなりやすいでしょう。
2つ目の理由は歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなることで、これは上記の解説と重複します。
女性は歯周病になりやすい
男性に比べて女性の方が歯周病になりやすいと言われていますが、それは事実です。
理由は女性ホルモンの分泌であり、歯周病の原因菌の中には女性ホルモンをエネルギーとするものがあります。
さて、女性は妊娠時などには女性ホルモンの分泌が活発になりますね。
それはイコール歯周病の原因菌にエネルギーを与えることになってしまい、
そのため特定のタイミングでは女性は歯周病になるリスクが急激に高まるのです。
最も、だからと言って男性が歯周病になりにくいわけではありません。
喫煙する人は歯周病になりやすい
喫煙が身体に有害な事実は今更言うまでもないですが、口腔内の健康においても害をもたらし、
タバコを吸っている人は吸わない人に比べて歯周病になるリスクが5倍以上も高まります。
歯にタールが付着すればプラークが付着しやすくなりますし、ニコチンは身体の免疫力を低下させるでしょう。
さらに言えば、喫煙していると歯周病が重症化しやすい傾向があり、
これは見た目において歯肉の腫れが抑えられるのが理由として挙げられます。
歯肉が腫れないことで歯周病だと気づけず、そのためいつの間にか進行を許してしまうのです。
デンタルフロスを使わない人は歯周病になりやすい
歯周病予防の基本は歯磨きですが、ただ歯磨きは誰もが習慣として行っているものです。
しかし磨き方は人それぞれ違い、そのため歯磨きの精度には大きな差が出ます。
当然、精度の低い歯磨きをしてしまう人は歯周病になりやすいでしょう。
ここでポイントとなるのがデンタルフロスであり、
ブラッシングのみの歯磨きではどうしても磨ける箇所に限界があるため、約4割もの磨き残しが発生します。
つまり、同じ歯磨きをするにしてもデンタルフロスを使わないと磨き残しが増えて歯周病になりやすいのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病になりやすい人についてまとめます。
1. 疲れている人は歯周病になりやすい :身体の免疫力が低下しているため、細菌に感染しやすい
2. 噛み合わせが悪い人は歯周病になりやすい :歯肉に負担を与え、口呼吸が嫌気性菌の働きを活発にする
3. 歯並びが悪い人は歯周病になりやすい :歯磨きの精度が落ち、噛み合わせも悪くなる
4. 女性は歯周病になりやすい :歯周病の原因菌の中には、女性ホルモンをエネルギーとするものがある
5. 喫煙する人は歯周病になりやすい :歯周病になりやすいだけでなく、重症化もしやすい
6. デンタルフロスを使わない人は歯周病になりやすい :歯磨きの精度が低下するため
これら6つのことから、歯周病になりやすい人について分かります。
歯周病になりやすい特徴に該当する人はもちろん徹底した予防が必要ですが、
ただこれらの特徴に該当しない人も無関係の話ではありません。
歯周病になりにくいと言ってもそれはリスクの程度の問題であり、
予防を怠ればたちまち歯周病になりますし、虫歯においても同様のことが言えるでしょう。