こんにちは。
東京都町田市の歯医者さん、タカムラ歯科医院です。
今回は「虫歯は根管治療で治るのか？」についてお話します。

結論から言うと、根管治療で虫歯を治すことは可能です。根管治療を行えば、歯を残すこともできます。

この記事では、根管治療の定義、種類、治療の流れや期間など、根管治療について詳しく解説します。

進行した虫歯で悩んでいるといった方の治療の参考になれば幸いです。

根管治療とは？

虫歯がかなり進行すると神経が死んでしまい、神経が通っている「根管」が汚れます。虫歯の部分を削って被せ物を取り付けても、この根管内の細菌を取り除かないと、細菌が繁殖して虫歯が再発するばかりか、根の先端に膿が溜まり顎の骨を溶かしたり、歯を抜かなければならなくなります。

根管治療とは、死んでいる神経を除去し、根管内を洗浄・消毒する治療のことです。根管治療を施すことで虫歯の再発を防ぐことができます。さらに、抜歯せずに歯を残して機能性を回復させることも可能です。

根管治療の種類

根管治療には下記の4つの種類があります。

• 抜髄（ばつずい）
• 感染根管治療
• 再根管治療
• 歯内療法外科

それぞれの治療について説明します。

抜髄

抜髄とは歯髄炎（しずいえん）になってしまった歯髄（歯の中の神経）を取り除くための根管治療のことを指します。

歯髄炎とは虫歯、不正咬合、知覚過敏などが理由で歯髄に継続的に刺激を与えることで発生する歯痛のことです。

感染根管治療

歯髄炎が進行すると歯髄が壊死し、やがて歯根の周辺に膿が溜まります。感染根管治療とは、壊死した歯髄とその周辺の汚れた根管内を掃除する治療のことです。汚れを除去することで膿も取り除かれます。

再根管治療

再根管治療とは、根管治療をした後に再度炎症が起きた場合に行う根管治療のことを指します。

歯内療法外科

歯内療法外科とは上記の根管治療で治らなかった場合に行う外科療法のことを指します。歯肉を切開して病巣を取り除くことが一般的です。また、感染した根の先端を部分的に切除することもあります。

根管治療の流れと治療期間の目安

根管治療は下記のような流れで行われます。

Step 1: 診断
Step 2: 虫歯部分の除去
Step 3: 神経の除去・洗浄・消毒
Step 4: 薬剤の充填
Step 5: 型取りと被せ物の取り付け
Step 6: 定期的なメンテナンス

これらのステップにかかる治療期間は人によって異なります。保険診療ですと多くの場合、Step1からStep6まで、1～2ヶ月ほどの期間が必要です。通院回数にすると、およそ5〜8回ほどです。しかし、根管部分の細菌感染の状態が悪い場合は治療に半年以上かかることもあるので、早めに対処することをおすすめします。

根管治療が必要なケース

下記のようなケースは根管治療を受けることをおすすめします。

• 虫歯の進行がC3またはC4に達している
• 急性歯髄炎（何もしなくても歯がズキズキと痛む）にかかっている
• 慢性歯髄炎から歯髄壊死の段階である。虫歯の痛みが一時的になくなった状態。これは回復したから痛みがなくなったのではなく、歯髄が壊死して痛みを感じなくなってしまった状態になっている
• 歯茎を押すと痛みを感じる
• 冷たいものや甘いものを食べたり飲んだりするとしみる
• 歯を噛み締めると痛みを感じる

ひとつでも当てはまる場合は、早めに歯科医院に行って検診を受けましょう。

根管治療前後で感じる痛み

根管治療では、下記のタイミングで痛みを感じることがあります。

• 虫歯が進行しているとき
• 歯の中に薬剤を詰めて圧をかけたとき
• 歯の周りで歯を支える組織が炎症を起こしている場合
• 根管治療後の痛みが長引いている場合
• 根管治療後に噛んだとき

根管治療後にズキズキした歯の痛みを感じることはよくあることですが、3日程度で痛みがひけます。痛みが長引く場合は、根管治療を受けた歯科医院に連絡しましょう。

根管治療は誰でもできる？

根管治療は誰でも受けることができるというわけではありません。下記のようなケースは治療に時間がかかったり、場合によっては根管治療を受けることができない可能性があります。

• 炎症の範囲が広い
• 根の形が複雑である
• 根の中に大きな穴が開いている
• 歯が破折している
• 重度の歯周病を患っている

まとめ

重度の虫歯は根管治療で治すことができます。根管治療を受けることでご自身の歯を残すことができる可能性が高いです。

根管治療が必要な虫歯にさせないためにも、虫歯の早期発見・早期治療を心掛けましょう！
虫歯が気になる方、また歯に違和感を感じる方は当院へご相談ください。