東京都町田市の歯医者さん、タカムラ歯科医院です。
今回のテーマは「歯周病の要因」です。
歯周病にかかるリスクは、人によって差があります。
つまり、かかりやすい人もいれば、かかりにくい人もいるのです。
その差は個人差ではなく、いくつかの理由があり、
ここでは歯周病にかかりやすい人・かかりにくい人の違いについて、解説していきます。
歯周病を予防するため、誰もが歯磨きをしていると思います。
しかし歯磨きの精度には差があり、精度が低ければ磨き残しが多くなってしまいます。
とくに明確な差が出るのが、デンタルフロスや歯間ブラシの使用の有無です。
これらを使用している人は、歯ブラシが届かない箇所まで磨くことができるため、
歯周病を予防しやすくなるでしょう。一方、ブラッシングだけの歯磨きをしている人の場合、
プラークの除去率は6割程度といわれており、4割程度の磨き残しがあるのです。
歯周病は、歯周病菌と呼ばれる細菌によって発症する感染症です。
ということは、身体の免疫力が高ければ、予防しやすいということです。
そこで関わってくるのが生活習慣であり、例えば睡眠不足が続く人は身体の免疫力が低下します。
そうすると歯周病菌に感染しやすくなり、それは歯周病にかかりやすいことを意味します。
一方、疲労やストレスが蓄積することなく生活している人は、
身体の免疫力が高く、歯周病を予防しやすくなるのです。
まず歯並びが悪い人ですが、歯並びがデコボコしていると歯が磨きづらく、
磨き残しが増えて歯周病にかかりやすくなります。
とくに、歯と歯が重なっている人だと、そこに汚れが溜まってしまうでしょう。
次に噛み合わせが悪い人ですが、噛み合わせが悪い場合、噛み合わせた時に一部の歯に負担がかかり、
そうすると歯肉に負担がかかり、炎症を起こしやすくなるのです。
それが本格的な歯周病に進行するケースもあり、そのため歯並びや噛み合わせの状態は、
歯周病へのかかりやすさと深く関係しているのです。
むし歯にかかることで、歯周病にかかるわけではありません。
しかし、むし歯があるということは、むし歯を予防できていないということです。
歯周病の予防方法は、むし歯の予防方法とほとんど同じです。
つまり、むし歯を予防できていない人は、歯周病も予防できない可能性が高く、
逆にいえば、歯周病を予防できていない人は、むし歯を予防できない可能性が高いのです。
それぞれの病気は全く異なるものですが、原因菌はいずれもプラークに含まれています。
定期検診を受けている人は、歯周病を予防しやすくなります。
というのも、定期検診ではさまざまな予防治療を受けることができるからで、
例えばブラッシング指導・生活習慣改善のアドバイスなどを受けることができます。
また、定期検診を受けている人は、仮に歯周病が発症しても重症化しにくく、
それは医師がその都度お口の健康状態を確認するからです。
歯周病は自覚しにくい病気のため、早期発見できることは、定期検診の受診における大きなメリットです。
唾液の分泌量が低い人は、歯周病にかかりやすくなります。
唾液の分泌量が低いと、お口の中の唾液が少なくなりますから、
細菌を流す効果が弱まりますし、お口の中が乾燥状態になってしまうこともあります。
歯周病菌は嫌気性菌と呼ばれるもので、酸欠状態の環境を好みますから、
乾燥したお口の中は歯周病菌にとって、最適な環境になるのです。
そのため働きが活発になり、歯周病にかかるリスクを高めてしまうのです。
その意味では、唾液の質は、歯周病発症のリスクと深く関係していることになります。
いかがでしたか?
最後に、歯周病の要因についてまとめます。
これらのことから、歯周病の要因について分かります。
他にも、タバコを吸っている人は歯周病にかかりやすく、さらに重症化しやすい傾向があります。
歯周病にかかった場合、むし歯のように激しく歯が痛むことはありません。
そのため、歯周病はむし歯に比べて怖くないと考えている人もいますが、
目立つ自覚症状がないからこそ発症に気づきにくく、重症化してしまうケースが多いのです。
それこそが歯周病の怖いところであり、歯周病は静かなる病気と呼ばれています。