東京都町田市の歯医者さん、タカムラ歯科医院です。
今回のテーマは「歯周病の感染」です。
歯周病を予防することは、自分のためだけでなく家族のためにも大切なことです。
なぜなら、歯周病は人から人にうつるからで、歯周病の母子感染も問題視されています。
そこで、ここでは歯周病の感染をテーマにして、
歯周病がどのような病気で、またどのようにして人にうつるのかについて解説していきます。
目次
歯周病は歯の病気ではありません。確かに、進行することで歯に影響をもたらしますが、
正確には歯の骨の病気であり、歯を支えている骨を溶かしてしまう病気です。
歯周病が発症すると、歯と歯肉の境目に溝が発生してそこに細菌が溜まります。
この溝を歯周ポケットと呼び、歯周病の原因菌は歯周ポケットの中で繁殖していきます。
そして、進行することで歯を支えている歯槽骨を溶かしてしまいます。
歯槽骨は歯を支えているため、溶かされることで歯は支えを失い、不安定な状態になってしまいます。
そうなると歯はグラグラと動くようになり、最後には抜け落ちてしまうのです。
このように、歯周病になると歯が抜けることから「歯の病気」と思っている人が多いのですが、
歯が抜けるのは骨が溶かされるのが原因であり、歯周病は「歯の骨の病気」といえるのです。
最初にいっておくと、うつるといっても症状がそのまま相手にうつるわけではありません。
その点は風邪にも同様のことがいえますが、歯周病の原因菌が人から人へと移動するのです。
そして、歯周病の原因菌は口の中に存在しているため、感染経路は唾液ということになります。
そこで唾液を介す行動と考えてみると、例えば次の行為が挙げられます。
これらの行為から想像できるとおり、唾液を介すことが考えられるのは親しい人同士です。
つまり、歯周病は自分の親しい人にうつしてしまう可能性があるということです。
歯周病の原因菌はプラークに含まれているため、虫歯同様に歯磨きを怠ることで歯周病になると思いがちです。
確かに、歯磨きを怠ることで歯周病が発症しやすくなりますが、そこまでの要因にはさまざまなことが挙げられます。
疲労やストレスなどで身体の免疫力が低下している状態だと、細菌に感染しやすくなります。
これは歯周病の原因菌の感染においても例外ではなく、
つまり身体の免疫力が低下している人は歯周病になりやすいのです。
口呼吸をすると口の中に乾燥した空気を取り込むため、唾液が蒸発して口の中が乾きます。
そうなると口の中は乾燥状態になり、嫌気性菌によって住み心地の良い環境になります。
嫌気性菌は歯周病の原因菌ですから、口呼吸の人は歯周病になりやすいのです。
糖の摂取が多いと虫歯になりやすいのですが、同様に歯周病にもなりやすくなります。
糖の摂取によってプラークが生み出され、歯肉炎を誘発して初期の歯周病を引き起こします。
そして、やがては本格的な歯周病に進行してしまうのです。
歯周病を予防するためには、次の3つの方法を実践するのが効果的です。
磨き残しの少ない歯磨きを実践して、より多くのプラークを除去しましょう。
もっとも、いくら丁寧に磨いても歯ブラシだけでは磨ける箇所に限界があるため、
デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯磨きすると良いでしょう。
身体の免疫力低下、糖を摂取する食生活など、歯周病の要因は生活習慣の中に含まれています。
そのため、生活習慣を見直して改善することも歯周病の予防につながり、
充分な睡眠やストレスの解消などによって身体の免疫力を高めれば、歯周病の原因菌に感染しにくくなります。
痛みなどの目立った自覚症状のない歯周病は、発症しても気づかない人がほとんどです。
そのため、定期的に検診を受けて歯周病の有無をチェックしてもらいましょう。
また、定期検診を受けることでブラッシング指導などの予防治療を受けることができます。
いかがでしたか?
最後に、歯周病の感染についてまとめます。
1. 歯周病は歯の骨の病気です :歯周病は歯を支えている骨を溶かしてしまう病気
2. 歯周病の原因菌は人から人に移動します :歯周病の原因菌は唾液を介して人から人へと移動する
3. 歯周病になる要因はさまざまです :身体の免疫力の低下、口呼吸、糖の摂取なども歯周病の要因になる
4. 歯周病を予防するための3つの方法 :歯磨きの精度を高める、生活習慣を見直して改善するなど
これら4つのことから、歯周病の感染について分かります。
自分が歯周病を予防できていても、家族が歯周病になることで原因菌をうつされてしまう可能性があり、
一方で自分が歯周病になることで、家族に原因菌をうつしてしまう可能性があります。
このため、歯周病は自分だけでなく家族全員で予防を心がけることが大切です。